雪が降らなかった日

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今日、

平年より9日遅く、昨年より8日遅い初雪が観測されたとウェザーニュースが発表した。別に雪に対して特段良い思い出があるわけではないのに、意味もなくワクワクしながら窓を開ける。

 

だが、外はただただ極寒な空気が広がるだけだった。残念ながら私の区は雪ではなく雨だったらしい。もしこれが雪に変わったら、その初雪を一番に知らせるのは誰だろうか。「雪が降ってるよ」と真っ先に言いたくなる人は、そういえば毎年違った気がする。

 

雪の降らないベランダに用はないので、寒い寒いとボソボソ言いながら窓を閉める。暖房が暖かい。「いつでも暖かい部屋がある」それだけで幸せなはずなのに、我々はこれ以上何を望むというのだろうか。

 

夏に麦茶を作って以来、使っていなかった2ℓのプラスチックのボトルを出したら、知らない間にヒビが入っていた。

 

もし心が病んでいるときだったら、こんな些細なことでひどく落ち込む気がするが、今の私は比較的健康なので落ち込まずに済んだ。良かった。

 

ギリギリ使えるか使えないかで言ったら、恐らく「処分」という選択をする人の方が過半数な気がする状態だが、私はイケる気がしたのでそのまま使用することにした。

 

そんなに美味しいとは思わないが、何となくお洒落な人が飲んでいそうだからという漠然とした理由で普段からルイボスティーを入れる。最初は薬草臭くて飲み慣れなかったが、今ではだいぶ飲めるようになった。だが依然として美味しいとは思わない、麦茶とか紅茶、なんなら水の方がよっぽど美味しい。ちなみに一番好きなのはコーン茶である。なのに何故わざわざルイボスティーを飲んでいるのか、私にも分からない。消費者はたびたび理解のし難い行動を取るものである。

 

お湯を沸かしつつガスコンロの火で少しだけ暖をとった。全然関係ないが、海苔にごま油を付けてフライパンで少し焼くと韓国海苔になるというが本当だろうか、今度やってみようと思っているうちに、やかんが音を立てて吹きこぼれる。

 

熱湯を注ぐと2ℓの熱々ルイボスティーが出来上がった。お気に入りの無印の耐熱ガラスのマグに注ぐと、ボトルの割れ目からジョボジョボと容赦なく溢れる。この数分で、ボトルが割れていたことをすっかり忘れてしまっていた。私は他人と比べて恐ろしく記憶力がない。熱湯が止めどなく床に滴れ、冷えてゆく。私は気にせずマグに注ぎ続ける。マグと床、1:1くらいの比率でそれぞれの場所に注がれる。マグがいっぱいになった頃には、ボトルの3分の1もルイボスティーが減っていた。マグに収まった方の“運のいい”ルイボスティーは、やはり自分の味覚としては美味しいとは言えないまでも「これを美味しいと思う人の気持ちは分からなくもない」という味であった。

 

 

その後は、特に理由はないが夜が更けるまでマイケル・ジャクソンばかりを聴いていた。